「殺す警官」 サイモン・カーニック著 佐藤耕二訳 新潮文庫
 主人公で語り手のデニス・ミルンはロンドン警視庁の巡査部長。
 冒頭この刑事デニスはサイレンサー付き銃で、トラベラーズ・レストで車に乗った3人を、タイトル通り「殺す警官」の衝撃的スタート。ところが、翌朝の新聞によると彼らは税関職員と民間人だった。殺しはレイモンド・キーンに依頼されたもの。デニスは極悪非道な人間のみを消してきたはずだったのに、すんだこととはいえ何という失態だ。その上店員の女に顔を見られたらしい。
 話は変わって、リージェンツ運河の殺人現場に移る。惨殺されたのはミリアム・マックス(18)。彼女は養護施設コールマン・ハウスの女の子。デニスは施設を訪ね、美人のカーラ・グラハム所長や少女達にも事情を聞く。その後モリーとアンが行方不明に。自分の過ちを忘れるためにも、デニスは未成年者売春婦殺人事件の解決に心血を注ぐ。
 そんな中、新聞にデニスと解る税関職員銃撃事件の犯人の似顔絵が掲載される。しくじったデニスには、レイモンドが差し向けた口封じのための刺客が。警察の内務捜査官も動き出した。逃走することにしたデニスにも、やり残したことがある。捕まるか復讐か、二つの事件の強引な結びつきがあるものの、小説は350ページを超える頃から、俄然面白くなる。

(ここでルール破りで申し訳ないが、どうしても必見のDVDを紹介したい。

「アレックス」 ギャスバー・ノエ監督・脚本 フランス映画
 映画はヤク中のマルキュス(ヴァンサン・カッセル)が病院に搬送されるところから始まる。原因は恋人アレックス(モニカ・ベルッチ)をレイプした犯人を、警察に頼らずホモの館に乗り込んで追いつめたため。それから有名なモニカのレイプシーンになり、すべての映像がカットバックしていく手法。最後は子供たちが走り回る公園で、読書するアレックスを映して映画が終わる。
 これからがDVDの便利なところで、今度は順廻しで時間を追って普通に映画を見れる。
 皆さんは、この手法をどう思われるか、モニカ・ベルッチのインタビューの中にそのヒントがある。
(付録 これから先はオフレコ)
 モニカ・ベルッチの魅力がこの映画の売りで、「マレーナ」も良かったが、「ジュリア」はひどかった。彼女の映画の共通点は、そう主人公の名前がタイトルで、当然モニカがヒロイン。