(遺産の額では負けないぞ、というのが次の作品)
「汚れた遺産」 ジェイムズ・グリッパンド著 白石朗訳 小学館文庫
この本は660ページもあり、二つの話を交互に進める凝った手法。余計なことだがこの文庫は18行あり、分厚いので開いたときに綴じ込み部分が読みづらい。
コロラド南部の法律事務所で働くシングルマザー、エイミー・バーケンズとピードモントのスプリングスの町でただ一人の医者ライアン・ダフィの二人の主人公の話である。紙の真ん中に線をを引いて、登場人物を分けて記録したほうがいいし、それぞれが接触しだすと、何が何だか分からなくなりそうで、こまめにメモされることをお奨めしたい。それでは小説の半分ほどを紹介するにとどめよう。
エイミーの元に突然20万ドルが送られてきた。身に覚えがなく警察に届ければ、当然この小説はないのだが、エイミーと祖母は金を手元に置いとくうちに、金への執着心と一体誰がという好奇心に勝てず、少しずつ探りを入れていく。
一方ライアンの父フランクは死に際に、屋根裏部屋に恐喝で得た200万ドルを隠していると言い残して死ぬ。とまどうライアン、母は何も知らないと言う。姉セーラに話したのが間違いのもと、セーラのならず者の夫はライアンを脅しまくり、離婚調停中の妻リズも交えて金の亡者の醜い争いとなる。ライアンもこの金の出所を探るべく活動を開始するのだが、話は法律的な問題や、FBIまで絡んでややこしくてしょうがない。
エイミーは自分に送られた金がフランク・ダフィからと突きとめる。そしてライアンに会いに行くことにした。
ここまで来るのに200ページを費やし、さらに二人の間で暗躍する謎の男女二人組みも現れて、この小説には相当気長な辛抱が必要だと分かる。その結果、真実はーーーー。